元々は、ギリシャの神ではなくオリエントから伝えられたとされるディオニソス信仰、なのにゼウスの子供とされたり、オリンポス12神に入れられたり外らされたり不思議な神様ですね。ちょっと、七福神みたいな。
さて、ポンペイの秘儀荘に戻りましょう。
ポンペイレッドと呼ばれる壁画背景の赤ですが、多くのローマの美術・建築物にはローマンレッドと言われ赤が用いられています。この絵、まるで日本の絵巻のようですね。秘儀の順番が描かれています。少年がこれから行われる恐ろしい秘儀の手順を入信者に伝えるための文書を読み上げています。
左から二番目の女性は、女性祭司。臨月と思われる女性の姿、結婚の準備をしていると思われる娘の姿も見られます。
楽器を奏でている男性の姿も興味深いです。
こちらは、九州の吉野ケ里遺跡です。弥生時代の遺跡で村落を守る砦の原型が窺われます。
こちらは、村の支配者の館。
二階の部屋では、このように食事をしたり、会議を開いたりしたのでよう。
そして、最上階では、このような巫女による密儀が開かれていました。村長は、困ったことがあったり、困難なことがあると神がかりになった巫女のお告げに従ったそうです。トランス状態になりやすいように琴が(右奥)奏でられ、火も焚かれています。ディオニソスは、魔術・呪術をもって、神として畏怖されたそうです。なんだか、面白い共通点ですね。自然界で人間が生きていくことの不確実性は、今も変わらないことですが、古代では不安がもっと強かったでしょうね。今でも女性は占いが大好きです。巫女の遺伝子が受け継がれているのかもしれません。東京銀座には、女性占い師がたくさんいるそうです。
(続く)