ルノワールが、何百年も前の古くてクダラナイものと考えていたイタリアの美術作品。ルノワールが活躍したのは19世紀、私たち現代人からすれば、100年以上前の過去の人ですよね。過去の芸術家がさらに過去の芸術をけなしていた。これって面白いですね。現代の芸術家にルノワールと同じものを描こうとする人はいないでしょう。過去の作品をコピーすれば、それは贋作か盗作ですし、本物の芸術家ではないですね。そうは言っても、ヒントを得たり、影響を受けたり、学んだりはあるのではないでしょうか?過去の作品が優れていればいるほど、感動はありますし、時代を超えて訴えかけるものはあります。
これは、何でしょう?魚?イルカ?人魚?お化け?これは、ローマ国立博物館・(ローマの国立博物館はいくつかに分散されております。マッシモ宮の方です)に収蔵されているものです。これは特別室のスクリーンに映し出された映像です。真っ暗な部屋の中にふわーと。これを見たときは驚きました。日本にこういうものはありませんから。しばらくすると、部屋は明るくなり、
美しいでしょ!二体ありました。そして、こういう絵画も。
いつの時代のものか分かりませんが、様式からして17世紀・バロック期のものではないかと推察します。ルノワールは思ったに違いありません。「カビが生えたものでも美しいものは、美しい。そして、形はあっていいものだ。いや、なくては。私は私なりの絵を描けばいい。」
パリのオルセー美術館には行きませんでしたので、ルノワールの絵はお見せできませんが、ご存知ですよね。ちょっと太った女の子をたくさん描きました。裸体画も。彼は、女の子の肌の晴れやかさ、ピンク色が好きだったそうです。白人の女は日に当たると肌がピンクになりますからね。パリでは、春になると女の肌は花が咲くようにピンクになります。
東京のすみだ北斎美術館です。ここは、葛飾北斎の絵の宝庫です。外国人観覧者もたくさん来てました。特にフランス人。北斎が最晩年に描いた「富士昇竜図」もあります。最高傑作ですね。館内の絵はほとんど写真撮らせてもらえなかったのですが、一部可能でした。
神奈川沖浪裏の前作です。
これがあの神奈川沖浪裏、海外ではgreat wave (大波)と呼ばれていますね。画面構成としては素晴らしいです。よくぞここまで浪が描けるものだと絶賛したくなります。天才ならではですね。しかし、これは北斎の精神空間・心の中のものです。ルノワールや印象派の画家たちは、これが欲しかったのでしょうね。そして影響された。
赤富士と呼ばれる作品ですね。リアリズムではありません。これがやがて、ヨーロッパでは、シュールリアリズム、前衛絵画へと発展していきます。
ヨーロッパでは、当時、建物を上から見下ろして描くというのは無かったそうです。
こちらは、本物の作品は撮影禁止でしたので、スクリーン上の物です。これは、素晴らしい!かなりシュールなものになっていますね。しかし、ヨーロッパのものとは、別世界です。
日本人は、明治時代に印象派を学びにフランスに行ったり、先生をフランスから招いて、「印象派を教えてください。」とか言ってます。「何いってんだ。我々はあなた方から学んだのだ。」が答えでした。日本人て変ですね。こういう変なところ、現在の日本人にもあると思います。もっと、自分たちの伝統文化を見直してもいいのではないでしょうか???
でも、まっ、いいか!黒田清輝のお陰で裸体画を生々しく楽しめるようになったのですから。
次回は、
これです。(続く)