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 さて、元のポンペイの壁画と黒田清輝の究極の裸体画「智・感・情」をもう一度。

 
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この2000年前の壁画から


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 黒田清輝の最高傑作裸体画「智・感・情」こちら、東京国立博物館別館の黒田記念館にあった画集からのものです。本物は10月29日から2週間だけ、特別展示室でみられるそうですから、行ってきます。ポンペイの壁画からこの「智・感・情」に至るまで、ヨーロッパでは、中世を除きたくさんの裸体画が描かれてきました。ルーツはギリシャ美術にあると思われますが、この「智・感・情」は、単なる女性の裸体美のリアルな模倣的な表現でなく、黒田清輝が生み出した日本の美なのだそうです。どこがどういう風にかは、本物を見てからにしますが、ポンペイから日本まで、2000年の歴史の結果であることを念頭にお置きください。

 
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 今まで、ポルノ絵画や男根グッズなどいろいろなものをお見せしましたが、いろいろ考察してみると、ポンペイの人々、否、古代のローマ人にとって、それらは猥褻とか卑猥とかそういうものではなく、日常的なものだったのでしょう。部屋飾り、置物、宴会でテーブルの上で使う容器、壺にまで性的表現に満ちています。ここまで来ると宗教的と言ってよいのではないでしょうか?男根グッズは魔除け・厄除けの意味ありました。ポンペイの遺跡の近くに秘儀荘という建物があります。この建物では、

 (続く)

# by araeshuzo | 2019-10-01 19:18 | 旅行記雑感


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 いきなり変な石像とお思いでしょう。でも、これも見せないと古代から近代までのイタリア・ヨーロッパ美術の説明がつかないのです。これもまた、ローマ国立博物館(マッシモ宮)収蔵のものです。この大理石像、おそらくルネッサンス以降のものと推察します。陰茎が折れていますね。そして、取れた陰茎が、睾丸にくっついています。これって、作為的なのでしょうか?修復しないのでしょうかね?何らかの目的があって、最初からこういう作品にした可能性もあります。肩にかかったぼろ布から、貧しい身分か奴隷ではないかと思います。


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 こちらは、お馴染みのミケランジェロの「ダビデ像」凄い迫力でした。フィレンツエのアカデミア美術館に収蔵されています。ミケランジェロの最高傑作においても、陰茎部を露わに、リアルに描写していますね。


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 こちらは、ミラノのブレラ絵画館の所蔵のものです。こちらは、陰茎部を隠していますが、この石像はあのナポレオンです。イタリアでは、ナポレオンは「イタリア王」として崇められております。裸体で石像として表現したのは、神像に見せたかったからかもしれません。


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 こちらは、同じくブレラ絵画館所蔵のナポレオンの肖像画です。不思議なことに、王冠の上に手を置いてますね。どういう意味でしょうか?


 近代になっても、人間の肉体を赤裸々にリアルに表現するイタリア、そしてイタリア文明に影響されたフランスはじめヨーロッパの芸術や生活様式。16世紀、レオナルドダヴィンチが他の職人たちと一緒にイタリアからフランスに戦争後、連行されました。その時代(フランソワ一世の時代)、イタリアは先進国でした。フランスはまだ遅れており、テーブルも食器もまともな物がなかったとか。フランソワ一世は、ダビンチに命じて、城や、工場、土木工事いろいろなものを作らせます。ロワール川沿いのアンボワーズ城の隣に館を与えて。


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 こちらは、ロワール川の支流の川の上に建てられたシュノンソー城。川の上空から見るととっても美しいですが、私、羽が無くて飛べないものですから。城の中はじっくり見て来ました。この城には、二人の王妃にまつわる素敵なお話がありますが、テーマに関係ないので割愛。この写真はサービスです。



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 こちらが、フランソワ一世のアンボワーズ城です。レオナルドダヴィンチは、この城の庭にあった教会に埋葬されたそうですが、19世紀、老朽化して取り壊されたそうです。そのおり、ダビンチの骨が発見され、



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今では、この城の隅の小さな礼拝堂に埋葬されております。



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 その礼拝堂の床にダビンチの墓があります。日本人からすると変な埋葬の仕方です。不敬にあたりますね。床に遺体を埋め込むとは!でも、フランスでは、これ、普通なんです。この墓の周りにはロープが張られて花が置いてありましたが、イタリアでもフランスでも教会の床下に墓があり、人が踏んづけちゃいます。フランスの南西部の古い町、サルラの中世からの教会では、人が通る道の上にいくつもの僧侶の墓があり、観光客がその上を平気で通ってました。ダビンチの居館に行く時間はなかったのですが、その館から多くのイタリアのルネッサンス文化がフランスに発信され、伝わったことでしょう。


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 王様の寝室です。父母子供の裸体画が飾られていますね。ポンペイのポルノはこんな感じで、金持ちの寝室や居間の壁画に描かれていたのではないかと推察します。売春宿に飾られていたと言う人もいますが、そういう文化ではなかったのではないかと思います。この点、後程、また申し上げるとして。



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 お城の居間のようです。三人の裸の女性は、三美神でしょうか?ポンペイの影響が何百年もかかって、こういうところに。


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こちらは、王妃の寝室のようですが、どんな絵か分かりませんね。



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ロワール川沿いのアンボワール城。川を城の防御にするのは、日本の城郭造りと似てますね。


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 しかし、この城壁の急斜面は凄いです。敵兵、登って来れませんね。城の下は城下町です。フランスの城の典型です。



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 アンボワーズ城からの町の眺めは、絶景でした。昔は、この河を遡って、バイキングがやってきたそうです。怖いですね。また、この河は物資を運搬するのにも使われ、城や城下町の立地条件としてよかったのです。



 日本の城巡りもフランスの城巡りもしましたが、どっちがいいか、強いか考えると分からないですね。それぞれ構造は違うし、特色もあります。文明や文化の違いはたやすく理解できても、優劣をつけるのは難しいです。


さて、次回は、またポンペイの文物にもどります。(続く)








# by araeshuzo | 2019-09-19 06:20 | 旅行記雑感

 ルノワールが、何百年も前の古くてクダラナイものと考えていたイタリアの美術作品。ルノワールが活躍したのは19世紀、私たち現代人からすれば、100年以上前の過去の人ですよね。過去の芸術家がさらに過去の芸術をけなしていた。これって面白いですね。現代の芸術家にルノワールと同じものを描こうとする人はいないでしょう。過去の作品をコピーすれば、それは贋作か盗作ですし、本物の芸術家ではないですね。そうは言っても、ヒントを得たり、影響を受けたり、学んだりはあるのではないでしょうか?過去の作品が優れていればいるほど、感動はありますし、時代を超えて訴えかけるものはあります。


 
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これは、何でしょう?魚?イルカ?人魚?お化け?これは、ローマ国立博物館・(ローマの国立博物館はいくつかに分散されております。マッシモ宮の方です)に収蔵されているものです。これは特別室のスクリーンに映し出された映像です。真っ暗な部屋の中にふわーと。これを見たときは驚きました。日本にこういうものはありませんから。しばらくすると、部屋は明るくなり、


 
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 美しいでしょ!二体ありました。そして、こういう絵画も。


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 いつの時代のものか分かりませんが、様式からして17世紀・バロック期のものではないかと推察します。ルノワールは思ったに違いありません。「カビが生えたものでも美しいものは、美しい。そして、形はあっていいものだ。いや、なくては。私は私なりの絵を描けばいい。」

 パリのオルセー美術館には行きませんでしたので、ルノワールの絵はお見せできませんが、ご存知ですよね。ちょっと太った女の子をたくさん描きました。裸体画も。彼は、女の子の肌の晴れやかさ、ピンク色が好きだったそうです。白人の女は日に当たると肌がピンクになりますからね。パリでは、春になると女の肌は花が咲くようにピンクになります。

 
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  東京のすみだ北斎美術館です。ここは、葛飾北斎の絵の宝庫です。外国人観覧者もたくさん来てました。特にフランス人。北斎が最晩年に描いた「富士昇竜図」もあります。最高傑作ですね。館内の絵はほとんど写真撮らせてもらえなかったのですが、一部可能でした。


 
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 神奈川沖浪裏の前作です。


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 これがあの神奈川沖浪裏、海外ではgreat wave (大波)と呼ばれていますね。画面構成としては素晴らしいです。よくぞここまで浪が描けるものだと絶賛したくなります。天才ならではですね。しかし、これは北斎の精神空間・心の中のものです。ルノワールや印象派の画家たちは、これが欲しかったのでしょうね。そして影響された。


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 赤富士と呼ばれる作品ですね。リアリズムではありません。これがやがて、ヨーロッパでは、シュールリアリズム、前衛絵画へと発展していきます。

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ヨーロッパでは、当時、建物を上から見下ろして描くというのは無かったそうです。

 
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 こちらは、本物の作品は撮影禁止でしたので、スクリーン上の物です。これは、素晴らしい!かなりシュールなものになっていますね。しかし、ヨーロッパのものとは、別世界です。

 日本人は、明治時代に印象派を学びにフランスに行ったり、先生をフランスから招いて、「印象派を教えてください。」とか言ってます。「何いってんだ。我々はあなた方から学んだのだ。」が答えでした。日本人て変ですね。こういう変なところ、現在の日本人にもあると思います。もっと、自分たちの伝統文化を見直してもいいのではないでしょうか???

でも、まっ、いいか!黒田清輝のお陰で裸体画を生々しく楽しめるようになったのですから。

 次回は、

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 これです。(続く)


# by araeshuzo | 2019-09-15 17:59 | 旅行記雑感

 日本の浮世絵に嵌って影響を受けたルノワールです。印象派の画家たちは、それまでのルネッサンス期から続く古典派の流れに反発し、浮世絵のような色彩と心に感じたことを描写することに腐心したのです。新古典派(18世紀初頭、ダビッドやアングルなど)の先生たちは、「まず線だ!線を描け。そして形だ。」と教えました。しかし、それは、新しいものを求める若い画家たちには窮屈だったのでしょうね。線と形式の美は、何百年も続いていたわけですから。そこに、幕末、西洋に門戸を開いた日本から、陶磁器がフランスに輸入されてきました。その包み紙には、浮世絵が使われていました。浮世絵は、当時大衆が楽しむもので、今の週刊誌のグラビアみたいなものでした。日本では、見て、楽しんだら、紙くず。しかし、浮世絵は当時のフランス人画家には、新鮮なものでした。あでやかな色彩、非写実的な画面構成、何よりも心に感じたものを強調して描く日本人画家の精神空間主義、言い換えると心の印象に残ったものを描く。ゴッホやモネ、マネ、セザンヌたちは、貧乏でも浮世絵を買いあさりました。ルノワールもそうでしょう。


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 パリのルーブル美術館所蔵のものです。下は、有名なグランド・オダリスクですね。本当は、新古典派のアングルの「岩に繋がれたアンジェリカ」をお目にかけたいのですが、PCのアルバムに見当たりません。この時代までの西洋画は、線と形体美と陰影です。立体感があって写実的ですね。質感や表情を表すのに優れています。

 しかし、若者はいつの時代でも新しいものを求めるものです。アングルも「美の革命家」と言われた画家でしたが、19世紀も半ばになると古臭い爺画家になってしまうのですね。弟子たちは、従・離・反の道を辿ります。最初は、先生の言うことを聞いていましたが、やがて離れ、先生とは反対のことをやりだして、自分独自の道を歩みだす。印象派の画家たちは、それまでの画風をぶっ壊しだしたのです。

 高校生の頃、印象派のボナールの絵をみたことあります。ルノワールの絵は好きだったのですが、ボナールの絵は、もう線など無く、形も崩れ、ボワーとした感じで、「ああ、女の子らしき子が花に囲まれて描かれているな。この絵、どこがいいのだろう?」と思いました。ルノワールは印象派を突き進めると、ボナールのようになると思ったのかもしれません。形が無くなることへの危機感です。そこで、イタリアに行き、カビが生えたようなルネッサンス期の絵画に出会います。


 
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 これらの絵は、フィレンツエのウッフィツィ美術館が所蔵するイタリアの最高峰の名画です。上から、ラファエロの「ひわの聖母」、次に、レオナルド・ダヴィンチの「受胎告知」、そして、ボッティチェリの「春」「ヴィーナスの誕生」です。ルノワールはこれらの絵画を見たことでしょう。そして、何を考えたのでしょうか?

 (続く)

 
  

# by araeshuzo | 2019-09-14 17:59 | 旅行記雑感

 イタリアには、古代の大理石や石灰石の石像はたくさん残されていますが、絵となるとそうはたくさんないでしょう。発掘されて出てきたもの、殊にポンペイ壁画のように1900年間火山灰の中に埋もれて保存状態がよく、タイムカプセルから取り出されたものになりますね。


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こちらも国立西洋美術館所蔵の作品です。ルネッサンス期のものと思われます。これは、古代ローマ・ポンペイのポルノ作品が復興したものと見ていいでしょう。色っぽいですね。


 
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 幕末、田崎早雲が描いた「鍾馗図」です。当時、男の子の健やかな成長を願って大きな布に鍾馗の絵を描いてもらい、庭に旗のように掲げておく習わしがあったそうです。誠心隊足利藩士の子供のために描いたそうです。これも墨絵です。

 
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 これも、国立西洋美術館所蔵の作品です。宗教画ですね。イタリアでこの種の絵画をたくさん見ました。バロック期に入ってからの作品かもしれません。敬虔なカトリックの女性の祈りの姿を描いていますが、どこか色っぽいでしょ。イタリアルネッサンス後期の巨匠、カルバッジョが描いた「マグダナのマリア」は、女性の宗教的恍惚感を描いていますが、官能的でもありますよ。ポンペイのポルノは凄いですね。千数百年の時を隔てて、宗教画の中にもうずめいているのですから。


 
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 こちらは、田崎早雲の「羅漢図」です。色っぽさありません。しかし、よく見てください。この奇想天外な日本人の発想力は、フランス印象派の画家やグスタフ・クリムトなど多数のヨーロッパの画家に影響を与えております。


 
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 田崎早雲の「白衣観音図」です。早雲の傑作の一つと言われておりますが、京都のお寺の絵を模写したと聞いております。色っぽさは微塵も感じられませんね。やはり、日本人が質感を伴った女性の肌を描けるようになるのは、黒田清輝のフランス留学からの帰国を待たなければならなかったようです。彼が持ち込んだ裸体画は、遠くポンペイのポルノがあったのではないかと思います。

 晴れやかな肌の女の子をたくさん描いたフランス印象派のルノワール。彼は、日本の浮世絵に囚われましたが、浮世絵の模倣をしていると形が無くなって行くのに気づき悩みました。そして、


  (続く)

# by araeshuzo | 2019-09-10 03:26 | 旅行記雑感

両毛青少年国際交流クラブ・荒江学習塾で生きてきて、私がやっていること、言いたいこと

by araeshuzo
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