2018年 09月 01日
(377) 韓国日本古墳巡りの旅(東アジアの神仏習合編5)
さて、韓国の巫俗信仰が、キリスト教と習合している話をする前に、巫俗信仰(シャーマニズム)というものにちょっと触れておきます。シャーマニズムは世界中に見られます。シャーマン(shaman)が、脱魂(トランス状態)になったり、憑依(possesion・所有、とらわれ状態、神や何らかの霊、祖霊など)されたりして、気づくと何も覚えていないのです。これは、太古の昔から人類が、生きていくために豊穣を願ったり、子孫繁栄、難局の打開を願わざるを得なかったからでしょう。また、ある決断に迫られたり、自分や身内、あるいは村人が病気や災害に苦しむとき、何かにすがわらざるを得なかったからでしょう。これは、現代でも変わりません。科学万能なんて嘘で、常に自分や社会に問題を抱え悩むのが人間、生きとし生けるものですから。まして、将来のこととか不確実で常に不安を伴うものです。保障なんてありません。それが、生きとし生けるものの宿命で、人が生きるということです。目の前にある物質(例え、それが黄金の山だったりしても)は、人に救いをもたらすとは限りません。苦しくてもがくとき、超自然的なものにすがりたくなるのが人間なのでしょう。
シャーマニズムは、原初的原始的宗教なのでしょう。日本の神道、天皇陛下が私的行事として行っている神嘗祭や新嘗祭、他もろもろの儀式。これらも、私はシャーマニズムだと思うのですが。神社の神主の祈祷も。邪馬台国の卑弥呼も巫女だったとか。魏志倭人伝に「卑弥呼は鬼道を操る」とあります。平安時代、陰陽師が幅を利かせました。有名なのは、安倍晴明。
konest.comより引用。
赤と白の三角の旗と卍。これが、巫堂の家の印です。韓国の町のいたるところに見かけました。最初、何なのか分かりませんでした。救護院みたいなところかな?と思いました。日本の「安心の家」みたいな。
おばさんの巫堂の踊りのようですね。
最近体が不調で悩んでいる女性のために踊っている巫堂。学士が銅鑼、太鼓、鉦、チャルメラなどを奏で脱魂あるいは憑依状態になり、刀の上を歩いたりもするそうです。そして、依頼者にアドバイスをする。
巫堂の楽曲は、韓国の伝統音楽にもなってます。やかましく、暗く、私は1分間も聞いてられませんでした。日本でも古墳時代や弥生時代、巫女のお告げを聞くのに琴の音色が必要だったそうです。音楽って、宗教から生じた部分あるようです。カトリックでも神を感じるために教会で、パイプオルガンを演奏して、グレゴリオ聖歌を歌わせたり。あれ聞いていると、天国に昇る気分になりますよ。安室奈美恵のコンサートも熱狂するフアンは一種の神がかりかもしれません。
韓国の巫堂たちの家が6件集合した長屋。
そこには、こういうものも。巫俗信仰には、道教や仏教に影響されている部分があるそうです。これも、習合?? 巫堂が踊っている間、念仏を唱える学士もいるそうです。ナムアミダーブルと。
赤と白の三角の旗と卍。これが、巫堂の家の印です。韓国の町のいたるところに見かけました。最初、何なのか分かりませんでした。救護院みたいなところかな?と思いました。日本の「安心の家」みたいな。
生まれた子供に名前を付けるにも、巫堂に頼る人がいるそうです。
(続く)
by araeshuzo
| 2018-09-01 00:30
| 旅行記雑感